社労士の合格率がおかしい?過去の合格率や4つの理由・年収も大公開

社労士とは常に人気の資格であり、毎年たくさんの方が受験します。その魅力の一つは年収が高い事があげられます。しかしながら、その合格率は低く難関な試験といえます。また合格基準や合格率にも年によって差があります。これから社労士を受験しようと考えている方にとって大切な情報を紹介します。

社労士の合格率について

さまざまな資格の中でも特に人気の「社労士」の試験に合格したいと日々勉強をされている方も多いのではないでしょうか?「社労士」とは社会保険労務士の事で、労働問題や年金問題、社会保険のエキスパートの資格といえます。人事・労務管理、年金の専門家として、年金・医療・雇用保険といったさまざまな分野で活躍できる国家資格です。

社労士はいつも役立つ資格ランキング上位にランクインしていますが、その合格率は低く難関といえるでしょう。今回はそんな社労士の試験に合格したいと考える方に役立つ情報を紹介したいと思います。

社労士の合格率

平成24年の合格率

社労士の資格をとるために予備校に通ったり、ユーキャンなどの通信教材で勉強している方などいらっしゃると思いますが、果たしてどの程度の難易度の国家資格なのでしょうか。また独学で合格する事は可能なのでしょうか。社労士の合格率の推移を見ていきたいと思います。

まずは平成24年(2012年)についてです。平成24年(2012年)は申込者数が66,782人、受験者数が51,960人、そのうち合格者数が3,650人でした。合格率は7.0%となっています。

平成25年の合格率

平成25年(2013年)は申込者数が63,640人、うち受験者数は49,292人で、合格者数は2,666人でした。合格率は5.4%であり、前年の7.0%から合格率が下がった事がわかります。

平成26年の合格率

次に平成26年(2014年)を見ていきます。申込者数が57,199人、受験者数が44,546人、そのうち合格者数は4,156人で合格率は9.3%と平成25年(2013年)よりも合格率が高まりました。

平成27年の合格率

さて次は、平成27年(2015年)の合格率を紹介します。H28年(2016年)に社労士の資格を受験しようと思っている方は特に気になる数字かと思います。申し込み者数は52,612人と前の年より8.0%減です。受験者数は40,712人、そのうち合格者数は1,051人で、合格率はわずか2.6%でした。

前年の合格率が9.3%ですので、受験者数だけではなく、合格率も大幅に減った事がわかります。また合格率は、隔年ごとに、高低を繰り返す結果となっており、H28年(2016年)は合格率が高まる事が予測されるといえるでしょう。

社労士の試験の合格基準

平成24年の合格基準について

社会保険労務士の試験は、大きく分類すると8つの分野があります。
1,労働基準法+労働安全衛生法
2,労働災害補償保険法(+労働保険徴収法)
3,雇用保険法(+労働保険徴収法)
4,労働管理その他の労働に関する一般常識
5,社会保険に関する一般常識
6,健康保険法
7,国民年金法
8,厚生年金保険法

出題形式には「選択式」と「択一式」があります。選択式試験では、上記の8科目からそれぞれ一問づつ(5点満点)出題されます。択一試験では、一般常識2科目がひとつにまとめられ計7科目として出題されます。択一式の配点は各科目から10問、10点満点です。

社労士の合格基準は、毎年変わらずに2点あげられます。
1、まず、選択式試験において、総得点21点以上かつ各科目3点以上(ただし、「労働の一般常識」「社会保険に関する一般常識」「健康保険法」及び「厚生年金保険法」は2点以上)のである事。
2、択一式試験は、総得点45点以上かつ各科目4点以上である事です。

それにも関わらず、合格率が年によって差がでるのはなぜでしょうか。一つは試験問題の合格基準や難易度が年ごとに違っているためといえるでしょう。また、社労士は相対評価の試験です。これは国の政策もあってのことですが、何点以上取れたら確実に合格できる、ということができません。そのため、合格基準点の推移を把握する事は大切になります。

平成24年(2012年)の合格点はは46点、択一式試験の科目別必要最低得点は4点、選択式試験の総合合格基準点は26点で、うち科目別必要最低得点3点でした。

平成25年の合格基準点について

平成25年(2013年)の合格点は46点、択一試験の科目最低得点は4点、選択試験の総合合格基準点は21点で、うち科目別必要最低得点は3点でした。

平成26年の合格基準について

平成26年(2014年)の社労士の合格基準点は45点と前年よりも1点さがりました。択一式試験の科目別必要最低得点はうち4点と前年と同じ点数です。選択式試験の総合基準点は26点で昨年より5点も高くなりました。

うち、科目別必要最低得点3点です。選択試験の点数が5点あがったにもかかわらず、合格率は4%もアップしました。これは前年よりも問題の難易度が大幅に下がったといえるのではないでしょうか。

平成27年の合格基準点について

平成27年(2015年)の合格基準点は、総合点が45点、うち科目別必要最低得4点と特に変化はありませんでした。しかし、選択式試験の総合合格基準点21点と一昨年の点数と同じに戻されました。科目別必要最低得点3点です。合格基準点がきびしくなり、合格率も過去10年の中で最も少ない2.6%となりました。

社労士試験の難易度

平成24年の難易度

合格基準の変動もさる事ながら、合格率がこれほどもまでに、年によって違ってくるのはなぜでしょうか。やはり難易度に差があるからといえるでしょう。しかしながら、難易度とは相対的な概念にすぎません。

例えば野球でバッターがボールを打つ時に時速120㎞のボールを見て早い球だと感じます。次に来たボールが時速150㎞だった場合、ボールをバットに当てる難易度は高くなったといえます。しかし毎回時速150㎞のボールを受け続けると徐々にボールの速さに慣れてくるため、同じ時速150㎞のボールでも、バットに当てる難易度は高いとはいえなくなるでしょう。つまり比較対象があってこその難易度という事です。

これから受験を考えていらっしゃる方は、大学に通われている方も独学の方も、社労士の過去問がネットで検索できますのでどの範囲がでても大丈夫なように広く反復的に勉強される事をお勧めします。上記の例えを使って表現するならば、どんなスピードのボールにも慣れておく事が必要だからです。

まずは平成24年の難易度をみていきます。平成24年の合格率は7%であり、過去5年の合格率と比較して差がそれほどなかったため難ししすぎず、簡単すぎず平均的な難易度といえるでしょう。

平成25年の難易度

平成24年には、3,650人が試験に合格しましたが、平成25年は合格者数が2,666人とおよそ1000人ほど減ってしまいました。合格基準点は平成24年と比較して差がないのにもかかわらず、合格率も平成24年の7.0%から5.4%まで減少したことより平成25年は難易度が少し高くなったといえるでしょう。

平成26年の難易度

平成25年には2,666人の方が試験に合格しましたが、平成26年には合格者は4,156人と大幅に増加しました。合格基準点は前年の46点より1点下がった45点だった事より、平成26年の難易度はさがり受かりやすくなったといえるでしょう。

平成27年の難易度

平成27年度は合格者数がわずか1,051人と前年よりおよそ3000人も減り、合格率も過去最低の2.6%でした。よって平成27年の難易度はかなり高かったといえるでしょう。

社労士の合格率がおかしい理由

予想試験範囲と違っている

平成27年(2016年)の合格率は過去最低の2.5%でした。過去10年を振り返ってもここまで合格率が低い事はありませんでした。それはいったいなぜなのでしょうか。原因の一つに試験の範囲が予想と全く違っていた事があげられます。毎年、各資格学校では前年までのデータを元に試験内容を予測していますが、平成27年度は予測していた試験範囲外から出題された為、難易度が大変高かったといえます。

合格者の絞込みが行われてる

平成27年(2016年)を除いて、社労士の合格率と合格者数は、ある程度一定しており大きな変化がないことがわかります。ただ難しいだけならもう少し数字の変化があるのが普通です。これは、合格者数と合格率が、意図的に調整されているといえるでしょう。 ただた単に難しくするのではなく、一定のレベルで落ち着くように計算されているといえます。

合格のボーダーラインについてもはっきりしていない事からも、社労士は相対評価の試験であるといえます。これは国の政策もあってのことだそうです。そのため、何点以上取れたら確実に合格できる、ということができません。

平成27年が過去最低の合格率

社労士の合格率が平成27年は過去最低に低い2.6%となってしまいました。この結果に対しては多くの方から不満の声があがっています。1年にたった1度の国家試験にむけて1年間みっちり勉強してきたにもかかわらず、ある程度のレベルまで問題を解く事ができたにもかかわらず、たった1点で落ちてしまったり、足切りにあって落ちてしまった方にしてみれば疑問が残るものだった事でしょう。

この結果より、合格率は試験を行う側により操作されているという考えが強くなってきています。世の中にこの資格をもっている人の人数をある一定に保つために操作されているという意見もありますが、結局のところ真相は闇の中といえるでしょう。

救済処置の決定方法が不明

社労士の試験では、難問やいわゆるひっかけ問題が、 毎回たくさんある試験問題のどこかに混ざっているのですが、正解を出せた受験者が 少なすぎるときは「救済措置」が行われて社労士の合格者が減りすぎないようなしくみになっています。

ただし平成27年(2016年)の救済措置の決定方法が不明だという意見が多くでているようです。たくさんの人が3点未満だった「労災」を救済してしまうと合格率が大幅に上がり、主催者(行政)の想定していた数値を上回ってしまうといった事態が発生していたのかもしれません。

社労士の年収

従業員10人の事務所の年収

社労士の平均年収は大企業、中小企業合わせて平均年収で670万円程度というデータがあります。さらに、勤務先の事業所の規模が大きいほど年収が低くなるという統計があります。10人〜99人の事業所に勤める社会保険労務士の年収は536万円、100〜999人は463万円、1,000人以上は388万円となっています。

よって従業員10人の事務所の年収は500万円を超えており、大きな事務所に所属するより高い年収が得られるというわけです。また社労士の男性の平均年収は511万円、女性の平均年収は443万円となっており、男女でほぼ同じ年収が得られ、さらに女性が子育てしながら働きやすい資格と言われている事が女性から人気の資格となっている理由になるでしょう。

独立開業している社労士の年収

独立している社労士の方は年収1000万円の方も多く、高額な収入を得られる可能性があるでしょう。社労士は、日本に現在3万人以上いますが、その3分の1程度は、一般的なサラリーマンと同じで、企業に社員として属して働いています。一方、開業するなどして独立した社労士の年収は、企業と直接顧問契約を結び報酬を得ています。

そのため、多くの企業と顧問契約を結べば結ぶほど安定した報酬が得られるようになります。その反面、当然独立ですから顧客が獲得できない事務所であれば、収入あまり得られないという面もあります。

それでも独立している社労士の平均年収は1000万円程度ですので10年で1億の収入が得られる事になります。事務所に属する形の社労士は10年働いて5000万円の収入を得ているとすると、独立するのとしないのとでは大きな差があるといえるでしょう。

社労士試験は過去問を制することが成功のカギ!

以上より社労士は特に女性に人気の国家資格でありながら、その合格率はとても低く難関な資格といえるでしょう。さらに、合格基準や難易度が曖昧な上に、専門的な資格学校の予想ですら外れてしまう基準の見えない試験問題で多くの方が頭を悩ませています。そのためなんとしてでも合格したい方は過去問を広く反復して勉強される事が大切です。

また、合格者数が操作されているとすれば受験者の中でも高得点をとるだけでなく足切りなどで落とされない事が重要といえます。そのためには、もちろん独学で勉強される事も一つですが、予備校等の資格学校に通ったり、ユーキャン等の通信教材でしっかり予想をたてて勉強される事をオススメします。

平成27年の合格率があまりにも低かった事から、今年の試験は合格率があがるのではないかと予想している専門家もいます。ぜひがんばって勉強して合格していただければと思います。